~改めて見直した「Chateau Cissac」~

休日の夕方になると、気分転換にぶらっと町を歩く時がある。さして理由も目的もなくぶらっとしたい時がある。
その日にもよるが、途中オープンテラスのカフェがあればそこでカプチーノを飲んだり、昔からやっているようなコーヒー専門店で昔ながらのベイクド・チーズケーキとブレンドコーヒーを楽しんだり、外のメニュー看板を見て小さなイタリアン・トラットリアでパスタとワインで軽い夕食をするときもある。

6月のある日、同じように歩いていたら、歩道にはみ出したテラス席があるブラッセリーがあり、外に黒板書きのメニューがいくつかあった。 ちょっと覗いてみると「フランス産ホワイトアスパラガス・オランデーズソーズ添え」ってなメニューがあった。これは食欲を誘う! 特に、さっと茹でたアスパラをオランデーズソースで食べたい!という衝動に駆られるまではそうは時間がかからなかった。
「すいません、2名なんですけど席あります?」とお店に人に聞いたら「どうぞ、どうぞ」と言って案内される。 なかなか雰囲気の良い対応である。ますます食欲がでてきた。
店内用のメニューを渡されまずはアスパラガスを探すがない!? もう一度見直してもやっぱりない。 お店の人に「あの~、外のメニューにあったホワイトアスパラガスをお願いします」と注文したら「ごめんなさい、もう終わってしまったんです、すいません」
5秒近くは、目も開いた口も一点を集中したように全く動かなかったのを今も覚えている。マァ、仕方がない。無いものは無いのだから・・・。気を取り直そう、だってすでに食欲はそのままの状態を保っているのだからとメニューから別のものを選び注文しようと思ったその時、何かの魚料理のグリーン・アスパラ添えというメニューがあるではないか。
「あの~、このグリーンアスパラをオランデーズソースで食べたいんだけどやってくれるかな?」「そうですか・・・、ちょっとシェフに聞いてきます」すぐに戻ってきて「大丈夫です。ご用意できます」ときた。「じゃ、ぜひそれを!」。ドリンクメニューからはハウスワインと書かれたワインを注文。ワインはそれしかないみたいなので・・・。注文してから一応聞いてみたら「いえ、別にワインリストがありますが」
な~んだ、そうか。リストは白10アイテム、赤15アイテムほどのリストアップで値段も手頃な値付けである。
その中から ボルドー、オー・メドックのクリュ・ブルジョワ級の
「Chateau Cissac‘02(シャトー・シサック)」をチョイス。
このワインは最近メキメキと品質を上げてきている。メドックでも旧家が代々所有している由緒正しい家系のシャトーであるが、伝統的な手法を残しながらステンレスの醗酵槽なども使われ、また以前はカベルネ・フラン種のブドウも使われていたのだが、最近のセパージュはカベルネ・ソーヴィニョン75%、メルロ20%プティ・ヴェルド5%というもので造っているなどいろいろな手法改善を施している。
カベルネ種の比率を多くしたことで、力強さが増し、よりしっかりした構成になったような気がする。色合いも黒く濃く、杉の木や土っぽいの香りがあり焼いたピーマンみたいなやや青さもありながら硬い印象はない。タンニンも十分しっかりとあるのだが、しなやかとでもいうのか、凝縮した果実味と酸とのバランスがよく口当たりから喉越しまでスムーズに飲め、大変美味しい。
以前は悪くはなかったが、ちょっと薄味的な印象がありあまり記憶に長く残らないようなワインであったような気がしたが、改めて見直した。旨い(良いワイン)ではないか。
価格もけっして高くはなくリーズナブルであるこのCissacのヴァリュー感はすばらしい。
今回は、ホワイトアスパラガスが無かったがその代用品が良かったし、ハウスワインを頼もうと思っていたところが美味しいCissacに出会えたし、終わり良ければ・・すべて良しであった。
こんなワインは、さっそく自分の店でオンリストし、皆様にも楽しんでもらおうと思う。

中国料理では何に合わせようか?
牛バラ肉のやわらか煮込み=紅焼牛、トン・ポウ・ヨ=東坡肉、黒胡椒を効かせた牛フィレ肉とアスパラと茸の炒め=露筍牛柳などもいいだろう、などと想いも馳せる。

「うん、旨そうだ。」 ぜひ、美味しいこの「Chateau Cissac‘02」
飲みにいらっしゃっていただきたいと心から思う。


To be continued

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