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◆お茶とは
お茶の樹はツバキ科の一種の「カメリア・シネンシス」と呼ばれる亜熱帯性の植物で、緑茶・ウーロン茶・紅茶も、同じ茶の樹の新芽と2枚あるいは3枚の若葉からつくられます。
同じ茶の樹ですが、日本茶のやぶきた種・凍頂烏龍茶の青心烏龍種・紅茶の大葉種などと苗木の種類は違います。お米に例えるとわかりやすいかもしれませんが、「こしひかり」からは「ささにしき」は出来ないように紅茶の大葉種から日本茶は出来ません。正確に言いますと出来なくはないのですが、同じようには出来ないと言ったほうがいいでしょう。
植物の葉には「酸化酵素」があり、茶の葉が傷ついたり、ちぎれたりすると細胞が空気にふれて、酸化酵素が働き、茶の成分の酸化がはじまります。(これが、発酵と一般的に呼ばれています。)この酸化酵素の働きを熱を加え、どの時点で酸化(発酵)を止めるかにより、不発酵茶(緑茶)・半発酵茶(ウーロン茶)・完全発酵茶(紅茶)と分類されます。
茶の歴史
お茶は世界中で飲まれています。インドやスリランカで作られ、ヨーロッパをはじめとする世界各国で飲まれている紅茶、日本で愛飲されている緑茶も、そのルーツをたどればすべて中国。まさに、中国はお茶のふるさとなのです。
では、お茶はいつごろから中国で飲まれるようになり、どのように世界中に広まっていったのでしょうか。
今からおよそ2,000年あまり前に書かれた「神農本草経」には、神農(農業と医薬の祖)がお茶の葉を用いていたことが記載されています。神農の時代というのは紀元前2,700年余り。今日の漢方薬の基礎を築いたといわれる神農は、山野を駆け巡り、人間に適した野草や樹木を実際に噛んでチェックしました。しかし神農は、一日に72回も毒にあたり、そのたびにお茶の葉を噛んで解毒したといいます。
この神話がもし本当だとすれば、お茶の歴史は4,700年にもなりますが、その真偽のほどはともかく、古代にお茶が薬だったことは間違いありません。
お茶の樹の原産地は、中国西南の雲南省、貴州省、四川省あたりの山間部というのが定説です。8世紀に陸羽(茶聖と呼ばれていた)が書いた「茶経」によれば、薬としてのお茶の時代は2,500年以上続いていたそうです。
「茶経」
断片的だった茶の情報を初めて体系的に集大成した画期的な茶のバイブル。下記の十章からなる
1.茶樹のもつ性状と育成する土壌 2.茶の製造用具の種類
3.茶の摘み方と製茶方法 4.喫茶用具や各種茶具の使い方
5.茶の入れ方 6.茶の飲み方
7.喫茶の歴史 8.茶の産地
9.野点における略式の茶の作法 10.茶経の役立て方
やがて、前漢(紀元前1世紀)ごろには、お茶は飲み物として珍重されるようになります。そのころの茶樹は、福建省や四川省に自生しているだけで、お茶の生産量は少なく、特権階級だけの楽しみでした。
「茶経」の陸羽の生きていた唐の時代(7〜10世紀)になると、お茶は日常的な飲料として中国全土に広まります。当時の長安や洛陽といった大都会では、多くの家庭でお茶が飲まれ始め、街には茶店も現れました。
そのころのお茶は、緑茶の固形茶で、お茶の葉を摘んで、蒸してから臼でつき餅状に固めて保存し、飲むときに砕いて粉末状にして、お湯の中にいれて飲んでいました。
しだいに一般的な飲み物となったお茶は生産・売買が盛んになり、宗代(10〜13世紀)になると、専売制度が敷かれるようになります。国の財政収入の4分の1は、お茶の専売によるものだったとされています。また専売制度により、お茶の豪商も台頭してきました。
明の時代(14〜17世紀)には、固形茶から葉茶へと変わっていき、製法も蒸し茶から釜炒り茶へと移行していき、現在のお茶の基礎ができてきました。ジャスミンなどの花の香りをつけた「花茶」が登場します。
清の時代(18〜20世紀)に入ると、お茶はいっそう生活に欠かせないものとなります。この頃は味よりも香りが評価されたので、花茶に人気が集まりました。
16世紀初めごろからのヨーロッパ人のアジアの植民地化にともない、お茶はヨーロッパ各地に広がっていき、アメリカ独立戦争の引き金となったボストン茶会事件、アヘン戦争など歴史に大きくかかわりながら世界中に広まっていきました。
イギリスでは、お茶が普及する前は、「エール」というビールのようなアルコールを飲んでいた。
お茶にまつわる戦争
ボストン茶会事件…1773年 ボストン湾に紅茶を捨てた 1775年 ボストン郊外で発砲事件から戦争へそして独立へ
アヘン戦争…イギリスがお茶の輸入代金の支払いの変わりにアヘンを中国へ輸出。イギリス軍が広東を攻撃 1840年6月
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◆茶の分類と種類
中国茶には、さまざまな種類がありますが、「六大分類」という分類法が一般的に用いられております。
ここでは、「六大分類(緑・白・黄・青・紅・黒)+花茶+それ以外」として分類いたしました。
緑茶
発酵度:不発酵
製法:殺青−揉捻−乾燥
代表的なお茶:龍井茶・碧螺春・黄山毛峰
茶葉に釜炒りで熱を加え、発酵を止めてしまうのが不発酵の緑茶です。厳密に言うと、中国では釜で炒る前に、ごく軽く萎凋をします。生産高・中国国内消費ともに一番で、日常茶となっており、茉莉花茶(ジャスミン茶)の原料にもなっています
白茶
発酵度:微発酵
製法:萎凋−乾燥
代表的なお茶:白牡丹・白毫銀針・壽目
白い産毛にくるまれた若い芽を摘んで作ったごく軽度の発酵茶です。揉捻せずに仕上げるので、茶葉は針のようになっています。葉の大きいものが好まれ、水色は淡く、味は涼やかでデリケートですが、カフェインが多く含まれています。
★摘み方により、
*白芽茶:一芯一葉
*白葉茶:一芯二葉・三葉
2つに分類される。
★茶樹の種類から、
*大白
*水仙白
*小白
3つに分類される。
例:白毫銀針は、大白種・白芽茶となります。
黄茶
発酵度:弱後発酵
製法:殺青−揉捻−初燻−悶黄−復燻−悶黄−乾燥
代表的なお茶:君山銀針
18世紀にその製法が完成された黄茶は、中国茶の中でも高級の部類にはいります。君山銀針が有名です。
黄茶は白茶と同じようにさっと火を通してから乾燥させ、まだ熱のあるうちに積み上げて軽く発酵させる後発酵茶です。
*黄芽茶:茶芽だけを使う黄茶
*黄小茶:若葉で作る黄茶
*黄大茶:大きめの葉で作る黄茶 青茶
発酵度:半発酵
製法:萎凋−揺青−殺青−揉捻−乾燥
代表的なお茶:凍頂烏龍茶・鉄観音茶・武夷岩茶
青茶
日本でもっとも有名な烏龍茶が、青茶(半発酵茶)です。
清の時代にその製法が確立し、大変複雑で手間がかかりますが、特有の香気は、葉を摘んで日光萎凋すると、葉の水分がうまい具合に発散し、かわりに茶葉の香気成分が化学変化をおこして立ち現れてくることを利用しているからです。
茶葉を日光にさらす過程(日光萎凋)で、葉がちじれて青みを帯びた色に変化することから青茶と呼ぶようになったと言われています。
紅茶
発酵度:全発酵
製法:萎凋−揉捻−転色−乾燥
代表的なお茶:キーモン紅茶・正山小種・ライチ紅茶
全発酵茶。華南地方の人々が日常飲みますが、砂糖やミルクは入れずに、肉マンをかじりながら薄く入れた紅茶を飲んでいます。キーモン紅茶が世界的に有名です。
中国紅茶は、小葉種のお茶が多く、インド・スリランカ産に比べてタンニンが少なく渋味があまりありません。
黒茶
発酵度:後発酵
製法:殺青−揉捻−渥堆−復揉−乾燥
代表的なお茶:プーアール茶・六堡茶
精製茶を蒸してから麹菌をうえつけて発酵させることから、後発酵茶と呼ばれています。広東や香港での日常茶です。カビ臭さが特長で慣れないと飲みにくいが、古いほど価値が出るお茶です。
花茶
発酵度:茶葉による
製法:緑茶−薫花−混合−提花
代表的なお茶:ジャスミン茶・桂花茶
花茶には3つのタイプがあります。
1.茶葉に花を混ぜたもの
2.花の香りだけを移したもの
3.花自体をお茶として飲むもの 以外の茶
発酵度:−
製法:−
代表的なお茶:杜仲茶・八宝茶・苦丁茶
中華料理と中国茶
北京料理 花茶(ジャスミン茶)
羊肉と小麦粉料理が名物です。
上海料理 緑茶(龍井茶)
素材の味わいを深めた料理にすっきりとした緑茶が合います。
四川料理 緑茶(龍井茶)・花茶(ジャスミン茶)・黄茶
刺激的な辛味の料理が特長
広東料理 青茶(鳳凰單ソウ)・黒茶(プーアール茶)
比較的味のしっかりした多彩なメニューなので力のある味わいのお茶が合います。
★茶の摘採時期
春茶 :3月中旬から5月下旬
夏茶 :第一期 5月中旬から6月下旬
:第二期 7月中旬から8月中旬
秋茶 :9月上旬から10月中旬
冬茶 :10月下旬から11月下旬
●春茶の豊かな香りは、楊貴妃のたおやかなふくよかさに例えられます。
●冬茶の清香茶、趙飛燕の軽やかさやしなやかさに例えられます。
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◆茶名の由来
★鉄観音茶の由来
1.清朝の時代。現在の福建省安溪村林頭に魏飲という信仰深い茶農がいました。魏飲は近くのお寺の観音様に毎朝一杯のお茶をお供えしていましたが、ある朝いつも通りお茶をお供えにお寺に行くと、お寺の裏山に一株のお茶の樹が朝日を浴びて輝いていました。魏飲はこれを持ち帰り育てたところ、香りも味も非常に優れたお茶が出来上がったそうです。以来挿し木をして茶株を増やしていき、観音様に賜ったお茶なので、鉄観音と命名し現在に至ったとされています。
2.清朝の時代。現在の安溪暁陽南岩山に王士琅という人がいて、その人が一本の珍しいお茶の樹を見つけ、その茶葉を製茶したところ、すばらしい香りのお茶が出来上がった。そのお茶を皇帝に献上したところ味・香りに感動し、観音様のような優しい香りのこのお茶に鉄観音の銘を授けたとされています。
★凍頂烏龍茶の由来
清の時代に中国本土の科挙試験に合格した林鳳池氏が台湾に戻る時、36本の福建省武夷山の軟枝烏龍茶の苗木を持ち帰り、故郷の鹿谷郷への土産とし、その苗木が凍頂山に根付いたのが凍頂烏龍茶の始まりと言われています。
★包種茶の由来
福建省安溪懸の茶農が、花の香りを添加した「花香茶」を長方形の形で、四方を包んだ形にして販売していました。その包装の上部に印章として「包種」「包種茶」の名が記されていたのが由来の一つです。そして、安溪懸の茶商が台湾に移り住んで、花の香りを添加せずに花の香りを出す、現在の台湾の包種茶を品種改良しながら開発したとされています。
★烏龍茶の由来
1.ある人が福建省で緑茶を製茶している時に、黒い蛇が現れ驚いて逃げて、しばらくの後戻ってみると、お茶の葉が半分発酵していたが、それを最後まで製茶し完成させると、何ともいえぬ素晴らしいお茶に仕上がった。黒い蛇から黒を示す「烏」と蛇を示す「龍」の文字を用いて「烏龍茶」と呼ぶようになった。
2.烏龍茶の葉が、「龍のように曲がりくねり、烏のように黒い外観(形状)から烏龍茶を呼ばれるようになった。
3.古い茶樹の根元に黒い蛇が棲みつきとぐろを巻いていたが、茶を摘もうとしても危害を加えず、その茶を製茶してみると評判のお茶となり、これは黒い蛇の恩恵に違いないということから「烏龍茶」と呼ばれるようになった。
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◆時間帯で飲む中国茶をかえてみてはいかがですか
朝 :覚醒効果があるとされている緑茶
日中 :水分補給をするために白茶・黄茶
午後・食後 :発酵度の高い青茶・紅茶・黒茶
お休み前 :ジャスミン茶などの花茶でリラックス
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頭をすっきりさせたい :緑茶(龍井茶)がお薦め
むくみが気になる :青茶(凍頂烏龍茶)がお薦め
目の疲れをとりたい :花茶(菊花茶)がお薦め
冷え性・体を温めたい :青茶(武夷岩茶)がお薦め
リラックスして眠りたい :花茶(ジャスミン茶)がお薦め
二日酔いの予防・解消に :青茶(鉄観音茶)がお薦め
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茶十徳
1. 散郁気(憂鬱で曇った気持ちを散らす)
2. 駆睡気(ねむ気をのぞく)
3. 養生気(元気を養う)
4. 除病気(病気を除く)
5. 利礼仁(礼「ていねい」と仁愛「やさしさ」が増す)
6. 表敬意(尊敬の気がおきる)
7. 嘗滋味(飲んでおいしい)
8. 養身体(スタイルがよくなる)
9. 可行道(「道」をきわめることができる)
10. 可雅志(「志」を修めることができるようになる)
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◆水出し中国茶の作り方
水出し冷茶で暑い夏を乗り切りましょう
1.1リットル用の容器に茶葉5〜10g(お茶の種類によって)を入れ、水1リットルを加えます。
お水は、浄水器を通したお水か、軟水のミネラルウォーターがお薦めです。
容器の大きさに応じて、またお好みに合わせて茶葉の量は加減して下さい。
茶葉の形状 グラム数 抽出時間 茶 名
條形茶(細長い形) 8〜10g 6〜8時間 包種茶・東方美人・岩茶など
緑茶 6〜8g 3〜5時間 龍井茶・黄山毛峰など
ジャスミン茶 5〜7g 3〜5時間 茉莉花茶
上記の表は目安としてお使い下さい。お茶の種類や品質状況によって違います。
2.冷蔵庫に入れて、お好みの濃さになりましたら、茶葉を漉して別の容器に移します。
抽出する際に、冷蔵庫での保存と常温保存があります。繊細な違いがありますが、
常温抽出の場合は、後味の爽快感が良く表れ、冷蔵抽出の場合は、さっぱり感が引き立ちます。
常温抽出は、お好みの濃さになりましたら、茶葉を漉してから冷蔵庫で保管するか、
氷の入ったグラスに注いでお召し上がり下さい。
冷蔵庫抽出は、抽出中に冷やされますので、お好みの濃さになりましたら、茶葉を漉してからお召し上がり下さい。
裏ワザ:全部漉してしまわずに、1/2〜2/3程度の茶水を残して、お水を再度加えて、二煎目を淹れることができます。
抽出時間は一煎目より長くして下さい。
3.氷を入れたグラスに注げば、おいしい水出し中国茶が出来上がります。
水出し中国茶を楽しんで暑い夏を乗り切りましょう。但し冷たいお茶の飲みすぎにはご注意下さい。
水出し茶は冷蔵庫で保管していても、なるべくその日の内に飲み切って下さい。
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◆中国大陸のお茶の産地は、下記の4つに大きく分かれます。
華南地区 福建省・広東省・広西省 年間8〜10ヶ月間は茶摘ができる。青茶の大産地として有名だが、白茶・紅茶・緑茶・花茶も生産している。中小葉種が主流、大葉種も産する。
江南地区 浙江省・安徽省南部・湖南省・湖北省・江西省・江蘇省南部 茶の生産量が最も多く、中国全生産量の2分の1を占める。緑茶・紅茶の生産が多い。中小葉種が主流
江北地区 安徽省北部・江蘇省北部・河南省・陜西省・甘粛省・山東省 中国茶の産地としては、最も北に位置する。長江と黄河の中間地帯。小葉種の茶木が多く、緑茶の産地として知られる。
西南地区 雲南省・貴州省・四川省 茶のルーツとされている地域。大葉種・中葉種が主流。緑茶・黄茶・黒茶・紅茶の産地。
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